FCR ZERO...イブの夜にやってきた
2008年 12月 24日
待ちに待って、待ちくたびれちゃったCくんのもとにようやくショップから連絡が...
定時で仕事を片付けて、YくんとC君の車に乗り込みショップへ向かった。
ショップでは、なんたってクリスマスイブの晩なので....いいオッサンとオッサン予備軍の二人がサンタとトナカイに扮し、納車整備を待つ。
FCR ZEROはカタログやネットでで見るよりも実車の方がかっこいい。
ダウンチューブの断面はナイフのように扁平で、カーボンのフロントフォークは翼断面で、エアロなデザイン。
ワイヤーもフレームに内蔵するといった空気抵抗の低減をねらった近頃のハイエンドTTバイクと同じ手法を用いている。
特徴的な良く断面のシートポスト&シートチューブ。
シートポストはアルミ製。先端のボルト1本でサドルの位置を決めるデザイン。
かなり長い状態で収められているので適正なサイズのフレームを選択したとしてもカットする必要がある。
材質も扁平な断面形状による締め付けトルクの偏り等も考えられるし、カーボンを使ったからといって必ずしも軽量化につながるわけではないので、初心者も購入する可能性がある価格帯であることも考慮すればアルミで正解だと思う。
もしカーボンを使うとすれば、剛性重視のフレームとみてとれるので、振動吸収を目的とした選択なら理にかなう。
TCRのカーボンシートポストと同じ寸法でできてたら、いいねぇ。
これもFCRのデザインの特徴的なシートチューブにめり込むリアホイール。
タイヤのクリアランスもけっこうタイト。28cのタイヤは履けるかなぁ?
シートスティもエアロしていて菱形の断面をしており、チェーンスティも短く太め。
いかにも振動吸収性よりは推進力を重視いている形に見える。
そしてホイールはA-クラス、タイヤはミシュランのPRO3-RACE。
良いタイヤ奢っているねぇ。
納車整備が終わるころ、午前中身体の調子がすぐれなかったCくん、見違えるほど元気になってます。
そりゃそうだよね。Yくんも僕もほれぼれするほどカッコいいバイクだし。
そのオーナーになるんだからね。
バリバリの新車なのに、「乗ってみます?」ってCくん。
「ほんと?いいの?」
気が変わらぬうちにほんの少し乗らせてもらいました。
カタログコピーに偽り無し。加速が良いです。脚力がそのままスピードになる。
これは凄い。
乗り心地もスムーズでしなやか。
でもこの乗り心地はおそらくタイヤの性能が大きいかも。
路面の良いフラットなところでの試乗だから断言はできないけれど、先にもふれたように走行性能重視の高剛性フレームであるから、乗り心地のしなやかさを感じさせる要因はタイヤによるものの比重が高いのではないかな。
FCR ZEROのオーナーはホイール&タイヤをケチるべからず、というところか。
それにしても恐ろしい性能、コストパフォーマンスだ。
SPDペダルを装着したあかつきにはぜひもう一度試乗させてもらいたいものだ。
後記
洗い替えにと手に取ったコットンキャップをクリスマスプレゼントとしていただいた。
おまけにシマノのカレンダーまで。
何も買い物をしているわけでもないのに....ありがとうございました。
かくいうこのショップは、八王子、アーケード街にあるレジャーハウス ミヤザキ、子供の自転車からレーサーまで幅広くあつかうお店です。
僕が高校生の頃サイクルスポーツ誌を通じて知っていたから....けっこう古くからあるお店だと思います。
ある意味、昔ながらの自転車屋さんのテイストがあってほのぼのしているお店ですね。
追記
FCR ZEROのインプレ....
納車翌日だというのに翌日試乗させてもらいました。
サドルはサンマルコのポンザに変更し、もとのWTBよりもスパルタンになっています。
漕ぎだしはペダルも軽く、スピードの乗りは昨夜感じたものと変わらず、脚力が速度に置き換わるような加速感です。
走り出してすぐ気付くのは、かなり高剛性のフレームだということ。
クッションが少なくなったサドルによって脚力がよりダイレクトにペダルに伝えられると同時に、路面からの振動もダイレクトに伝わってくる。
一般的にアルミフレームは硬くて振動吸収性が悪い、といわれるが、FCR ZEROも残念ながらその一般論に該当してしまう。
但し、走りの反応の良さや、加速フィールの素晴らしさはスパルタンそのもので、弱点を相殺してあまりがあります。
坂道でダンシングしてもびくともしないフレーム、フロントフォークのおかげで力が逃げていきません。
シッテイングでも登りが軽く感じられます。
コーナリングも後荷重になっていること、ストレート形状のカーボンフォークのおかげでしょうか、回頭性がいいです。
まだフラットペダルなので高ケイデンスの走りができなかったのですが、50T×15Tで回しきってしまい、14Tにシフトアップしても回転を上げていってしまったことから推測すると容易に40km/hに到達していて、さらにのびる余地を残していると思われます。
このあたりに設計のバックグラウンドとしてタイムトライアルバイクの姿をかいまみることができるのではないかと思うところです。
バイクの性格としてはスプリンターなのではないでしょうか。
フラットバーハンドルにしておくのがもったいない、のか、あえてフラットバーにしているから面白い、のか、とにもかくにも個性的です。
脚力のあるサイクリストには相当面白いバイクだとおもいます。
このスパルタンなバイクを、ライダーによけいな負担をかけない、またはロングライドに対応するには、振動減衰性の良いレーシングサドルとホイールをおごれば身体への負荷が随分変わってくるだろうと思う。
タイヤは、少なくともしなやかな乗り心地といわれるミシュランのPRO3race以下には落としたくないところ。
完成車価格からすると他のパーツに対しフレームが勝ってしまっている感が強いので、走行性能(乗り心地も含めて)をさらに引き出す為にホイールを始め換装する価値は十分にあると思います。