新緑の上野原を越えて奥多摩湖へ....その3
2008年 04月 23日
その2 はこちら
意を決したものの、田和峠から下り始めてちょっぴり後悔する。
このを坂登るの大変、って思うくらい」傾斜がある。
だが、下りだしたら止まらない。というか止まれない。
ああ〜 ため息が出るが、これでもう鶴峠を越えねば家に帰れない。
帰れないわけじゃないだろうけど、戻る方がしんどい(爆)
坂を下りきると、集落の様子が変わり、何となく観光地的な雰囲気になってくる。
ドライブでやってきた人、ハイカーなど、観光客を寄せる施設がちらほら。
人が多いとちょっとした安心感がうまれるが、山里を旅したい趣にはちょっと違和感。
地元には観光収入は大事ですから、それはそれでいいのですが、人の温かさにふれられるようなこの地の雰囲気はこのままであってほしいなぁ。
なんぞとほざきながら、これから向かう鶴峠を見やり、残しておいた酒まんじゅうをほおばる。
うまい! 皮がもちもちした食感であんこもあっさり甘い。
もう1個食べたいなぁ。
峠をこえたら食事にしよう。
長めに休憩をとると走り出しがつらくなるので、じわ〜んと走りはじめる。
力みすぎないようにペダルをまわし、引力に逆らっていく。
車やバイクがこなければ、センターラインよりにラインをとって、少しでも楽な傾斜をみてとる。
それでも、あっという間に心拍が上がり、脚に力がはいらなくなってくる。
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大垂水峠で消耗して無くったって、自分の走力はこんなもんだなぁ。
あらためて自分と向き合って、じんわりペダルをふみこむ。
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足付きましたよ。
ふくらはぎがピクンピクンしてるんだもん。クリートから足はなれないんだもん。
たちゴケしそうになるんだもん。
でもね、押しては登らなかったよ。自転車に乗って峠にたどりつく。
そのくらいの意地はあるもんね。
登りきった達成感のわりに景色はそれほどでもなく、バス停が目印の峠。
僕がはじめてバイクできたころは、今走ってきた道を工事してたように思う。
もっと昔ながらのうねうね細いみちだったっかな。
そこに当時よりもオジンになった自分がエンジン無しでここに立っていることって、僕的にはかなり感動的なできごとなのである。
じゃじゃーん!な気持ちをメールに託すぞと、携帯を見たら圏外だ Orz
ダウンヒル用に持ってきたウインドベストを着込み奥多摩湖方面へ下り始める。
この坂も登り返したくない傾斜だ。簡単に50km/hを越えてしまう。
受ける風も冷たくて、すこし指がかじかむほどだ。
小雨がぱらついて路面がウエットになりかかった状況に、車の走り屋たちが残したタイヤのスキッドマークが縦横無尽にのたくっている。
こりゃ滑るぜぇ!
やっかいだなぁ。ものすごく緊張する。はっきりいって怖い。
緊張感で寒さをわすれ、原始村へ右に分岐する。
そこでやっと一息ついた。
あとは下り基調の道中、気持ちが一気にほぐれる。
風景が開けると原始村があらわれる。桜咲く春先の山様だ。
これまでと打って変わりしばし和み休憩をとる。
腹がすいた。
奥多摩湖湖畔にでれば食事処もあるだろう。
ゆっくり休みすぎて脚がまわらない。ぎくしゃくペダルを回す。
国道139号は奥多摩湖まで完璧な下り。
消耗した脚でも40km/hを越えるペースで下り降りる。
チヨー気持ちいいんですけど(笑)
真っ先に目についた店になだれ込み、食事をとった。
食べ終わってから写真を撮ってない事に気付いたのだが、写真に撮るようなものを頼んでないので、まぁいいか。
店をでると小雨が本降りに変わりそうな勢いになってきていた。
レインウエア(百均っすよ)を着るかまよったが、空を見てこの辺だけと見て取った。
タイヤが巻き上げる水しぶきがいやなので、スピードを押さえて走る。
やっぱりレインウエア着ようかなって小河内ダムの辺りで停車したら、だんだん小降りになってきた。お尻が冷たくなってきたところだし、よかったなぁ。
トンネル通過にあわせ、テールランプを点灯、フロントはフラッシングで点灯。
仕切り直して青梅街道を下っていく。
午後の中途半端な時間、車の交通量も少なめで、流れも40km/h前後と緩やかだったのがたすかった。
結構な下り坂。がんばらなくてもスピードがのるので、同じ速度ではないにしろ車のペースに合わせて走れます。(道幅がせまいからゆっくりだと逆に危険かも)
トンネル、特に素堀りのような岩肌がむき出したようなトンネルは恐怖のあまりに通過速度もぐんぐん上がり、信じられない速度でトンネルを飛び出す。
下りで心臓が飛び出すほど追い込んだのははじめてかもしれない。
ビックリするほど早く古里から吉野街道に右折。
あまりのハイペースにテンションあがりすぎているので、コンビニストップ。
おにぎり食べたかったけれど、また売り切れだ。しかたない、どら焼きをテイクアウト。
30km/hを越える速度を維持しながら青梅に向かう。下りバンザイ!
途中、お祭りの山車を見物しているうちに、すこしずつ家路についている気持ちになってきた。
奥多摩街道から羽村の堰で多摩サイにはいったところで、疲れがどっと出てきた。
夕日が反射して眩しい堰の川面を眺めながら、リュックからどら焼きを出して、大きくがぶりつく。
うめ〜ぇ! あっという間にたいらげた。
睦橋で公園からサイクリスト出てきたので、声をかけると今まで不通だったちっちゃな橋が通れるようになったことを知る。
補修工事も進み公園で遊ぶ人もなんかうれしそうに見えるには気のせいかな。
いつの間にか、平地走行でいつものペースで走ってる。
むしろ少し速いかも。
脚よりも腰や首が痛くなったので、我慢しきれず一時停止。
ふと前をみたら、自分の影が長くのびていた。
家まではもう少し、でもないか(笑)
はじめは自分のペース配分の悪さで落ち込んでいたが、ここまできたら、すごい充実感に変わってた。
走行距離 138km AV21.8km/h (グロス約18.4km/h)
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