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半原越え(法論堂林道)~唐沢林道....本当にやばかった!


その時、遭難の二文字が頭をよぎった。
いったい何が起きたのか?
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帰宅後発見した1枚の写真

生還できるのか。がんばれ!自分!
へこみそうな自分に活をいれた。

なにげに体重計に乗ったら3kg痩せてた。水飲んで飯食ったら戻っちゃうと思うけど(爆)





その前兆は朝から始まっていた。
冷蔵庫の中が空なのだ。朝飯ないぞ!
といっても食欲が今ひとつなので食べる気が起きない。
途中コンビニで補給すればいいか、と家を出た。
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多摩テック坂 7:10AM

朝から結構暑い。この坂一発で脚が消耗した感じになる。
そりゃそうだ。今日は重いツアーライドに昨晩履き替えたばかり。

野猿街道は並木が日陰をつくって少し暑さをしのげる。
街道沿いのセブンイレブンでサンドイッチと牛乳で朝食。
食欲が今イチ。(アクシデントへのトリガーその1)

16号で橋本まで。橋本から413号で新小倉橋に向かう。
道に迷ったおかげで、新小倉橋を見下ろす眺めの良い場所に出た(ラッキー)

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新小倉橋 8:10AM

相模川も濁ってる。台風の影響はまだ続いているのだなぁ。
なんて言ってる場合じゃなかった。
県道510号はことのほかアップダウンが多く、傾斜もきつい。
フロントインナーを使って登坂。汗が吹き出てくる。
えらいルートを選んでしまったが、半原に向かうルートはこれしか思いつかなかった。
串川橋を左折国道412号に入っても状況は変わらない。Orz
半原越えをする前にかなり消耗してしまった。(これも誤算、というか想定外)

おまけに右折すべき交差点を通り過ぎ、40km/hオーバーの速度で相模川中津川まで下ってしまう失態をしてしまう。(アクシデントへのトリガーその2)

見上げればストレートにのびる登坂路。乳酸のたまった太腿。
帰っちゃおうかな。
そう心がつぶやいた時、一人のローディが軽く自分を追い抜いていきました。
神奈川のローディは強いなぁ。こんなコースを練習してるのか。
と思った時、自分もいつの間にか登坂に集中してました。

左折すべき交差点でそのローディの方が、つれを待っていました。
道を尋ねるとこの交差点を左折で良いそうです。

では、と挨拶して走り出し頭、ローディの方が

半原越えはきついですよぉ〜


正直、その交差点からだって結構な登坂です。
脚もつりかかるぐらい来ちゃってます。
でも先行しちゃってますから、戻るわけにいかないじゃないですか。
心が泣いたよ。
上り坂なんか、でぇ〜嫌いだぁ。

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法論堂林道入り口へ 9:03AM リッチランドの小さい標識が目印

林道のアプローチは比較的傾斜が緩く十数km/hで登っていきます。
途中笑わしてくれる鳥がいたりして、あせらず、否が応でもゆっくりと登っていきます。

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法論堂林道入り口

いよいよ林道突入です。っていきなり急勾配の登りです。
心構え、まだできてないよ。脚も回復してないのに。
しょっぱなから足付きです。
先が思いやられるなぁ。
頭が下がり、もう路面しか見てません。

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9月だというのに夏だぁ

開けているところに出ると、山の稜線と空がきれいです。
日があたって暑いのはなんですが。
苦労しているからこそ、目に映る景色は堪能します。

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水場がありました。ラッキー

看板には飲めないと書いてありますが、車にポリタンクを積んで結構人が来て汲んで行きます。
僕も顔を洗い、頭から水をかぶり、レーパンにも水をかけます。
水も一口いただきましたが、まろやかです。

一気にクールダウンです。水を汲みに来ている方としばし雑談して、山の空気と湧き水で冷やした身体の心地良さにひたります。

さて、半原越えを攻略しますか。
走り出すとすぐ、ローディがやってきて並びしな、コンニチハって、
息なんか切れて無いじゃないですか!

多摩サイ走ってても挨拶なしですぜ。神奈川方面の自転車乗りは健全ですね。

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半原越え 9:53AM

感心しているうちに半原越え到着。
あきらめないで登って来てよかった。
人が多いのと車がたくさん止まっているので落ち着かない。
ということで早々に県道64号方面に下ります。

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こいつに引っかかったら確実にパンクだね


下りの道は台風のおかげで土砂が流れていたり、数多くのトラップを準備して、自転車乗りを待ち受けています。

県道64号に接続、土山峠に向かい坂を上りはじめます。
ここで少し空腹を覚えましたが、今すぐ補給するほどではないと思いました。
(アクシデントへのトリガーその3)

当初の予定は、土山峠をこえて宮が瀬に向かうでしたが、唐沢林道の入り口を発見した時点でこのまま土山峠を越えて宮が瀬湖に行くか、唐沢林道に行くか悩みます。
時間的な余裕があれば唐沢林道に突入も考えていたからです。
でもその計画はあくまで、宮が瀬公園の売店で補給してからの話でした。

ボトルの中身もそれぞれ2分の1弱あり、今までの走行距離に照らし合わせて、まず大丈夫と判断しました。(アクシデントへのトリガーその4)

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唐沢林道の入り口

閉鎖林道だけに路面の状況は悪いです。
ロードタイヤでもいけなくはないですが、パンクさせる可能性は高そう。
ツアーライドを履いて来て良かった。

斜度はキツくないですが、消耗した脚にはヘビーです。
インナーロー固定で高度を稼いでいきます。

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厚木方面でしょうか。眺望がききます。

突然視界が開け、遠く眺望できるところがありました。
高い山を走っている実感が湧いて来ます。
止まって景色を眺めているだけで滝汗状態。
水分の消費ピッチが速くなっています。

よくよく地図をみると唐沢林道林道は意外に距離が長いです。
でもピークをすぎれば下り基調なので十分こなせる、
(とその時点ではそう思っていました)

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ほんとにこのタイプのトンネル苦手。怖いんです

これで半分消化。下りは落石や土砂、など路面を注意しながら下るだけ。
下ハンにぎってスピードコントロールしながら下っていきます。
道路の崩落こそありませんが、一層荒れています。

登坂を終えた安心感からか、かなりお腹がすいてきました。
ペダリングも休みがちなので、疲労感がだんだん強くなってきています。

沢から涼しい風がくるところなどで休憩を入れながら進んでいくと、道は登りになってきました。
短い距離だけだろうとたかをくくっていると、結構長い。

まだ続くのか......

いつしかボトルが空になり、空腹感があるうちはまだ良かったと思うくらい、身体からエネルギーがわいてこないようになりました。

これって、ハンガーノック?

いくら脚が疲れているとはいえ、苦労して登る様な坂じゃないのに全然登れない。
のぼせているような、眠い様な、これまで経験した事の無い感覚です。

小さなトンネルをくぐればもうすぐ林道の出口、というところで喉の乾きが強烈にやってきました。

そういえば汗が出てないぞ。

もう気持ちに余裕なんかありません。
ヤバいぞ。ヤバいぞ。林道走りをなめてかかってたよ。

意識が朦朧としている、そんな言葉がぴったりあてはまる今の自分。
出口はまだか、まだかとのろのろ走っていると、眺めの良い橋の上にいた。

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汗が出なくて放熱の出来ない身体に強い山風が気持ちいい

この橋を渡れば県道70号。もう出口だ。
風にふかれながら、写真を撮る気になった。
しばらく風に吹かれていれば、すこしは楽になるかも知れない。
じっとしていると本当に動けなくなる様な気がした。
そして自転車の反対側の景色を見ようとした瞬間

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ガシャーン

強風がふき、自転車が倒れた。
あわてて起こしてチェックする。
倒れた傷はあるものの、見た目は大きなダメージはなさそうだ。

じゃあ、行くか。
ペダルを漕ぎ始めるとギアとチェーンが噛み合ずガチガチいって走れない!
ただでさえ、思考力が低下しているのにパニックで、何も対処できない自分がいた。
............................
心の中で何回「おちつけ」と自分に言い聞かせただろう。

おそらくエンド金具が曲がってしまったのだろう。
ギアはローギアが使えないのと、途中の何段かはギアがはいらない。
ギアチェンジしても動かないか、とんでもないギアにチェンジする。

まだ走行不能じゃない!
まずは水分とカロリー補給だ。

県道70号を宮が瀬湖に下る。脚がまわらないのでスピードが出せないが、三叉路の交差点まででれば自販機があったはず。

飛びそうになる意識を、ヤビツに向かう自転車乗りの挨拶が引き戻してくれる。
エールをもらっているみたいだ。本当にありがたい。

三叉路の交差点ってこんなに遠かったっけ。

川幅が広がりトンネルを越えた。三叉路の交差点だ。
辺りを見回す。あった自販機。
スポーツドリンクと糖分が多めのドリンクを一気に飲んだ。
飲んだとたん、身体から汗が吹き出て来た。
しばらくその場から動けなかった。

水分補給したらカロリーだ。
宮が瀬公園の売店で、まず中華まんをコッペパン状にしたようなやつをほおばる。
炭水化物と糖分をめざして、食べまくり飲みまくる。
そしてベンチでぐたっと座る。

30分も休んだろうか。これ以上休むと本当に動けない気がしたので出発する。
動けば汗もでるし、ぼちぼち食べたものがエネルギーにかわるだろう。

鳥屋から関まで一気にダウンヒル。
トルクはかからないが脚は回るようになった。
長竹三差路から日赤前にでる。
登坂は乳酸が溜まってキツいが、なんとか回せるまで回復。

国道413号は16号まで渋滞気味で流れている。
自分のスピードとほぼ同じなのでペースメーカーになった。

国道16号で八王子市街に向かう。
メンテをお願いしているサイクルショップに行く為だ。
片倉あたりでまた空腹感。
すぐにコンビニでアイスモナカを補給。(これが自宅までの燃料となった)

ショップで見てもらうとやはりエンド金具が曲がっているそう。
応急にディレイラを調整してもらい、部品の入荷を待つ事になった。

ここでようやく安堵感が広がった。

「生還」大げさかも知れないが、この二文字が偽り無い気持ち。
調子がよくなった自転車で家路につく。

ちゃんと家に帰ってくる   これが出来るのが優れた冒険家
植村直己かな? 言った言葉だったと思う
今日の自分は優れた冒険家の条件を満たしてるぞ。

と言ってみても間抜けな自分に変わりなく......
自宅に向かう道のりはきつめの向かい風が吹き捲くるのである。

..........................
教訓

飲み食いはすべての基本。あなどってはいけません。
メカトラの対応方法を覚えるべし。


走行距離 103km MAX 55km/h AV 18.3km/h
by jake490 | 2007-09-16 23:00 | シクロクロス的なハシる

ペダルを回せばご機嫌のカメラ好きな自転車乗り。ご近所彷徨いながら日々の出来事を徒然なるままに


by jake490
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