業界に詳しくないけれど軽自動車の世界はざっくりいうと、ダイハツのムーブとスズキのワゴンRが競い合い切磋琢磨するなかを、ひょいと頭抜けてホンダのNワゴンがトップシェアをしめているらしい。
もっとも興味があったのがジムニーだったので、そういうことには無頓着だったw
ただ、ジムニーを家族的な用途も多々ありで賄おうとすると、泣く泣くジムニーは候補からずり落ち。
家族から求められるのはショーファードリブンなわけで、
トヨタのCMのように、楽しげに歌を歌いながらドライブを満喫するような世界は遥か銀河の彼方。
運転手の役目をきちんと務めるのです的なチョイスにファントゥドライブの要素はマストではなく、安全対策な装置と経済性でOK牧場。
やはい話が車の運転で楽しいは諦めちゃったのでした。
楽しいは自転車で醍醐味を味わえるわけですし、最近はレンタルバイクも充実してきていて、
時折羅患するオートバイ乗りたい熱はソコでまかなえるかな、と研究中。
なわけで、優等生なNAエンジンのダイハツMOVEが我が家にやってきたのです。
先代のスバル車はたまに助手席に乗せた人に、これリッターカーだよね、
と勘違いされたりしてたスーパーチャージャーエンジンで、
そこから40%トルクが落ちるNAエンジンはやっぱり非力。
駄菓子菓子、ハンドルのスポーク部に仕込まれたPWRボタン(パワーボタン)をONにすると
エコなスタイルから一変、よく回るパワフルエンジンに大変身。
非力ながらもパワーを有効に使える仕組みが施されているのです。
というわけで、速くはないけれど、普通に使えるエンジンであります。
ハンドリングも至って普通の小型車のごとく。
直進で固まってしまうこともなく、前車よりもアシストがあって軽めでクイック。
剛性感も高く、ホイールとタイヤを変えると更に良くなる予感がする。
特筆すべきは、ボデイのパッケージングとサスペンション。
前車も普通の軽自動車よりも剛性が高かったのだが、さらに剛性が高くガッチリ。
ハイトワゴンの魁であるが、今ではミッドハイトワゴンなデザインで
軽自動車のサイズ枠をフルに使うことはせずに、バランスがいい。
そう感じさせるのはサスペンションが秀逸で、乗り心地が良いイコール柔らかい、のではなく
逆に硬いフィールでかっちりとしてフラット。
アイポイントが高くなっているのに頭が揺らさることがない。
シートも小さく感じることもないし、体に触れる面圧が分散されて包み込むような安定感。
バケットシートタイプじゃないのによく出来てる。
車体が軽いゆえ、軽自動車でありがちなバタつきも全く感じることもないし、
インプレ記事から推察するところだが先のマイナーチェンジで更に煮詰められた感がある。
マジか〜〜〜 これなら、ダンパー交換せずにスプリング交換だけで、十分に戦闘力ありそう。
高速道路でも、走行車線を制限速度プラスアルファで走ってみたけれど
合流は、PWRボタンをONで、高回転でエンジンが賑やかになるが、ソレはソレで当たり前だし
スタビリティが高く、小さい車にありがちな速度感がマシマシではなくて、
逆に体感よりも速度が高いという、逆張り感。
おまけに前車よりもかなり静か、勤務先の営業車のステーションワゴンよりも静か。
コレがターボエンジンだったら、軽自動車の概念がひっくり返しというか
普通小型車から軽自動車にダウンサイジングする向きがあるそうだが
NAエンジンのこの子でも、違和感が薄いだろう。
中央道の八王子から山梨方向に向かう登り基調ではどうかな~
大垂水峠を走ってみたけれど、八王子側からの登りはPWRボタンONで十分にイケた。
飛ばす、というレベルじゃないけれど、流れには十分対応できる感じ。
なので、有効な馬力を得られる回転域になれば元気なエンジン音はすれど
流れに乗ってイーブンペースで走るには過不足なしじゃないかと思われる。
代車のデイズは高速道路ではレスポンス悪くて余裕を持ってレーンチェンジしたのに後続の車に追いつかれパッシングされるという憂き目にあったので
NAエンジンの軽自動車はこんなモンだ、と冷めていたけれど、エライ違いだ。
車体の設計とセッティングでここまで違いが出るものなんだと、感慨にふける。
パイオニアの楽ナビでSDカードのMP3でスピーカーを鳴らす。
ジャズピアノトリオの楽曲をクルマで聴くなんて、レガシイ以来だ。
繊細なタッチの音からノイズに邪魔されること無く。
デッドニングと、品質の良いスピーカーを組み込めば、と欲が出る。
ヘッドライトもハロゲンランプをLEDに取り替えれば、下手にもとからLEDランプ仕様のものよりリーズナブルで、アフターパーツのバルブもお手軽に行けそう。
などなど、軽自動車の税制優遇感が薄れる方向にあれど、実質剛健、足るを知るでいけば
もはや、必要十分なサイズで普通に走れるパワーを有し、軽便であるがゆえのチープさも
過去のものとなったクルマであった。
まあ、コンサバティブでど真ん中感と、競合車との開発競争でクオリティーを上げてきたクルマであって
下手すればバトルが激しい分、普通小型車よりも開発に力が入っている感が強し。
ほんと、侮ってたな〜〜〜〜 びっくりだぁ もうゴメンナサイです。
余談だけどね、大垂水峠の下り、PWRボタンONのSレンジでスポーティに走らせてみたのだけど、
チョイとニヤけました。
速さと楽しさの違いですねぇ〜
無駄にタイヤのショルダーを減らしてしまうのは心痛むけれど
自転車のタイヤと比べると.....そんなに心痛め無くていいかも、と思ふ。
やっぱ、自転車のタイヤ、高いよなぁ。とクルマのインプレでぶっこんでどうすんのw
なんと言ったらいいのでしょう。
蓋を開けたら普通のクルマだった、ということなのかもしれませんし
ここまで煮詰めたメーカーに拍手、ということなんでしょう。
乗って面白いクルマ、でした。