バカとなんとかは高いところに登りたがるというが、自転車乗りも其の範疇に分類される。
なんで、こうも辛くて馬鹿げてると思うのに登るのだろうか。
遠い目をしながら、口から出てきた言葉は、そこに峠があるからだ、だと。
もう、殴ってやりたい。血祭りにあげたいw
駄菓子菓子、ソレは登山家のソレと根っ子は同じじゃないかな、とも思うんだなぁ
とりあえず、自分の限界突破であり、セルフマネージメントであり......
もう、ぐだぐだはいい、登るんだよ、目の前の峠を。
登りだしたのを後悔しながらw
だけど、峠の先にある見晴らしを眺めれば、全てが逆転だ。
で、ともかく喰らう。
走れば腹がへるのだ。
とはいえ、流石に、揚げ物は厳しい....が、モリモリ食べるべし。
はみ出たカツの一枚は蓋の上においといて、
とかとか、常連のオヂサンにレクチャーしてもらいつつ
どっから来たの?
へぇ〜〜〜〜、また随分遠くから来たもんだ!
という定型文に、自尊心が乗っかる。
其の言葉の向こうに、こんな遠くまで 自電車なんて馬鹿げてる、という意味があるのを
横においておく。
美味い不味いよりも、ともかくボリュウムが凄かった。
一度は喰ってみたかった。
秩父は遠いと思っていた。
だが、いつの間にか、定峰峠を越えて秩父まで走れるようになっていた。
ロードバイクのポテンシャル恐るべし、だ。
秩父を後にして我が家への道のりは、峠をいくつか越えなければならんのだ。
既に定峰峠を回ってきた脚はへこたれていて、なかなか前に進まず登れずで
ようやく峠を越えたとき、其のときは自分でもいけないスイッチが入ったと自覚している。
タイトでブラインドコーナーが続く下り道をジワジワペースを上げて攻めだしたのだ。
自分が曲がれるからといって、道を走っているのは自分だけじゃない。
アウトアウトアウトで曲がった右カーブ。
カーブミラーにも映っていなかったクルマがハンドルを切りきれずコチラに膨らんできたのだ。
とっさの事といい、自分の走れる道幅を失ったワタクシはブレーキングすることしか出来ず、
攻めていた分、余裕も無かったから、ロックした後輪、フロントブレーキを更に締め上げたが
迫り来るクルマのボディの恐怖から、バランスを失いかけて、ガードレールに接触。
其の勢いのままガードレールを飛び越えて道の向こうに飛び出してしまった。
幸いデイパックを背負っていたので、それがクッションになった。
擦り傷でヒリヒリしながらバイクを回収すると、泣きそうになった。
いや、べそをかいていた。
トップチューブが凹んでいたから。
嗚呼、もうフレームが逝っちゃった。まだ一年ほどしか乗ってないのに。
その後のブルーなキモチったら.......
ショップで見てもらい、すぐに直せるところは直したが
フレームの凹みはとりあえず様子を見ましょう、ということで。
で、今も観察は続いているのである。
落車からもう何年たったのだろうか。
そして、戒めの刻印が刻まれた(凹んだ)バイクに乗り続けているのだナ